言葉をつむぐ会
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これまでの歩み
歌とカラオケの力で失語症を治す
発起人の一人である「倉谷嘉広」は、2022年3月9日に勤務先のデスクで突然、意識をなくしました。倒れた場所が職場であったために、早くに救急病院へ搬送されたものの、病名は「脳血管障害(左脳皮質下出血)」でした。1か月半近く自分の名前さえも分からない状態が続きました。その後、日が経つにつれ、少しづつ回復傾向にあるものの、逆に自分を少しづつ取り戻すと同時に、不自由な体と言葉の出にくい状況が現実のものとして、ショックの増す日々となりました。ただ、落ち込んでいても現状は変わらない、なんとか社会復帰をしたい!職場復帰を叶えたい!という思いが日増しに募りました。医療関係者の方々の支援、そして家族の支えがあって、懸命にリハビリ活動に励みました。特に「相手にはっきりとした言葉で物事を伝えたい」という強い思いから、歌うことが自分にとって、よりよい解決方法の一つであることを認識しました。自分なりに上手く歌えたことが自信に繋がり、明日への活力になると感じたのです。また、倉谷自身のリハビリ活動をSNSを通じて公開することを決めました。
同じような障害で辛い思いを感じている仲間に、少しでも協力できるようになりたいという思いからFACEBOOKやYoutubeなどを通じて情報発信を行いました。すると少しずつ、周りの方々から応援を頂く機会も増え、そのことがきっかけで失語症のカラオケコンテストまで実施できることになりました。2022年7月31日にYoutube にてコンテストを開催、多くの方にご参加頂きました。このことが「言葉をつむぐ会」の発足の原点となりました。
当会の取り組む課題とその目的
私たちの取り組む課題
失語症は、脳卒中や事故などの原因によって脳の言語中枢が損傷し、獲得した言語機能(聞く、話す、読む、書く、計算する)の能力が損なわれ、コミュニケーションが難しくなる後遺症です。
失語症当事者は、他人とコミュニケーションが十分に取れないことで社会的に孤立しがちなこと、それが多大なストレスになることが課題になっています。
私たち「言葉をつむぐ会」では、失語症当事者が主体となって下記のことに取り組んでまいります。
(1) 歌を通して失語症の改善に取り組むこと。
(2) 失語症の方のカラオケコンテストを開催すること。
(3)失語症の方に対しての講演や交流会を開催すること。
(4)歌唱体験を通じて、その実体験また効果を社会に発信していくことと、歌唱研究への参加、協力していくこと。そして、相談機関や医療・福祉機関等と連携し、行政や医療への理解・協力を求める働きかけをしていくこと。
なぜこの課題に取り組むか
見えない障害といわれる失語症を患う方は、全国に50万人、失語症の原因疾患で脳卒中などの脳血管疾患患者は111万人5000人おり、その中にはリハビリが進まず、人との交流するのが難しく社会生活から離脱せざるを得ない方が数多くいらっしゃいます。
しかし、そのことはあまり知られておりません。
失語症を患った方との出会いを通じ、2022年7月「第1回失語症の皆様のカラオケコンテスト」を開催いたしました。世界初の企画として東京新聞や中日新聞、NHKハートネットテレビの記事など数多くのメディアに取り上げていただきました。
実は、これをきっかけに失語症当事者が主体となって活動する任意団体「言葉をつむぐ会」を、失語症当事者で歌手の「丸中真理(旧姓清水)」が会長とし、そして同じく失語症当事者2名、失語症カラオケコンテストの発起人「倉谷嘉廣」とダンスチーム主宰で昨年のコンテストで司会を務めたと「宮本璃佳」が副会長として令和5年4月1日に設立いたしました。
令和5年7月30日には、「第2回失語症の皆様のカラオケコンテスト」を企画し、多くの後援団体、協賛会社、医療関係の先生方にご協力を得て、成功に向けて役員を支える運営チーム一丸となって取り組んでおります。
同じ苦しみを持つ失語症の方々やそれを支えておられる方に勇気と希望につなげ、新たな扉を開くきっかけとなれば幸いです。
そして、医学的なエビデンスはまだありませんが、歌唱体験を通じて、その実体験また効果を社会に発信していくこと、歌唱効果の研究への参加、協力を行っていきたいと考えております。
これらのことを社会に周知し、適切な理解と支援を得られるようにするために私達は活動してまいります。
当会理事
私たちは失語症当事者であり、失語症の認知向上に繋がる啓蒙活動、及び失語症の方々が互いに励ましあいながら交流を深め、言葉の改善や意欲的な生活を目指せることを目的として、この会を立ち上げました。
賛助会員
言葉をつむぐ会の理念に賛同し、協力を頂いている賛助会員様
天白 すなお 様
高畑 雅代 様
外山 裕之 様
土井 大志 様
言語聴覚士
順不同